shitsugyo_to_kyusai

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「大学は出たけれど」という言葉で知られる昭和恐慌期の中高等教育機関の卒業生の就職難について,財界団体や評論家は,「学校教育が実学的でなく就職に役立たない」と批判した。日本経済連盟会のアンケート結果にも「学校数を減らし,教育内容を実業本位にすべき」とあり,著者は「高学歴失業者が累積している原因は産業側にはなく,もっぱら教育制度の問題とされており,卒業生が経済事情に見合わない高望みを続けているからであると理解されていた」(125ページ)と分析している。